冬の花たち

パンジー(2021年12月12日撮影)

 ハンギング・バスケットに咲いたパンジー。パンジーは花が豪華でよいのだが、陽当りがよくない場所に置くと花付きが悪くなる。暖かくなるまでの間は、花の付かないこともある。環境の悪い我が家では、やや扱いにくい品種である。

ビオラ(2021年12月12日撮影)

 ビオラは生物学的にはパンジーと同じ品質である。違いは、花の大きさである。パンジーの方が花が大きく、ビオラは比較的小さい。ビオラについて特筆したいのは、その花付きのよさである。パンジーの開花が止まっているような時でも、冬を通してたくさんの花を付けている。ガーデニング初心者におすすめの品質で、これを植えておけば、失敗することは少ないだろう。

 我が家では、毎年欠かさずに植えている。冬の園藝に欠かせない品種である。

玄関の寄せ植え(2021年12月12日撮影)

 上の写真では、ストック、金魚草も花を付けている。金魚草も、陽当りのよくない場所に植えても、花付きはよい方だと思っている。花もちもよい。

 ストックについては、先日いろいろと書いたばかりだが、花もちが良いことだけ、もう一度書いておこう。

冬越し柱のロベリア「アズーロコンパクト」 (2021年12月12日撮影)

 この夏手に入れたロベリア「アズーロコンパクト」。花期が終ったのに花が終らないので、余っていた鉢に適当に移植したものだが、師走に入っても元気に花をつけつづけているものだ。青々とした葉が付いて、一向に勢いが衰えない。

 捨て去るのも忍びないので、冬越しに挑戦中である。

名残の薔薇「グラハム・トーマス(Graham Thomas)」(2021年12月12日撮影)

 つる薔薇として仕立てているグラハム・トーマスが一輪花を付けている。花の美しい時を逃してしまったようだが、来年までしばしの別れだと思うと、愛おしく感じるものだ。

 これから、本格的な寒さがやってくるが、もう少しの間だけ、めげることなく咲き続けてもらいたいものである。

つる薔薇の剪定と誘引

 休日を利用してつる薔薇の仕立て直しを行った。

 つる薔薇の枝が夏の間に伸び、途中で幾度か伸びすぎた枝を切り落としていたにもかかわらず、またトレリスを越えるまで育ってしまった。

作業前のつる薔薇(2021年11月23日撮影)

 有望に見える新しいベーサルシュートが出ているのだが、古い枝が邪魔して新しいシュートを思うところに誘引することができない。思い切って、古い枝を新しい枝に更新する作業を行うことにした。

太い枝はガーデニング用のこぎりを使う

 古くなった枝を取り除き、新しい枝を残す。太く育った枝は鋏(はさみ)では伐れないので、園藝用の鋸(のこぎり)を活用する。園芸用の鋸は生木を伐れるように特殊な刃がついているので、園芸店で専用のものを用意するとよいだろう。

 作業のコツは、いきなり根元から伐るのではなく、先端から少しずつ伐って短くなったところで、はじめて株本に鋸(のこ)を入れるようにすることである。そうしないと、棘(とげ)の付いた大きな枝に悩まされることになるので、気を付けねばならない。

古い枝の剪定完了(2021年11月23日撮影)

 古い枝を取り除き、古い誘因をほどいたところ。かなりすっきりしたことが判るだろう。こうしておくと、来年、株本から新しい枝が出やすくなる。ただここまで本格的な作業を毎年やるのは大変なので、通常は混みあった枝を整理する程度でも問題ない。

失敗!

 ここで私は一つ大きな失敗をしてしまった。株元から出ていたベーサルシュートを折ってしまったのである。ひとつ前の写真で真上に伸びている枝(誘引してまっすぐに伸ばしたのである)を左の方向に誘引しようとして少し力をかけたらポキリと取れてしまったのだ。これまでも、有望な枝を折ってしまったことは幾度もあるので、加減しながら力をかけたつもりだったのだが、曲げる方向が悪かったのだろう。全ては後の祭り。取れた枝は捨て去るしかない。

誘引完了(2021年11月23日撮影)

 気を取り直して誘引作業を行い、作業は完了した。新しい枝が左側に偏ってしまったのだが、これは、無理に曲げてこれ以上枝を失うリスクを避けた結果である。

まだつぼみを残している(2021年11月23日撮影)

 本当はこの機に葉を全て落としてしまうのが良いのだが、まだ蕾(つぼみ)が残っていたので、残しておくことにした。最後の薔薇を見たいからである。蕾が膨らむのが早いか、本格的な冬の到来が早いか。それによって咲かずに蕾のままになってしまうこともある。果たして、残りの薔薇は花開くことができるだろうか。

庭の整理(夏の植物の剪定)

 夏の間、ラブリー・メイアン(薔薇)、秋明菊、木槿(むくげ)、クリスマス・ローズが通路に侵食して通りにくくなっていた庭の整理を行った。一時は庭の中央のラブリー・メイアンの花壇をつぶして舗装してしまうことまで考えたのだが、薔薇(ばら)と木槿を思い切って切り詰めることで状況が改善するようなら、花壇をつぶす必要はないからである。

整理する前の庭(2021年11月7日撮影)
伸びた木槿 (2021年11月7日撮影)
剪定後の木槿(2021年11月7日撮影)

 木槿は幹から枝が横に伸びて通路に出てくるので、幹を全て伐って株立ちにした。これで来年の夏の樹形がどうなるか、楽しみである。木槿は萌芽力が強いので、これで枯れてしまうことはない。

 実は、以前、この木槿を一本立ちに仕立てていた時に、台風で株が傾いてしまったことがあった。仕方ないので、株本で切り落としたのだが、時期になると次々に幹が出てきて自然に株立ちになったこともあったくらいなのである。

剪定前のラブリー・メイアン(2021年11月7日撮影)

 ラブリー・メイアンもオベリスクに絡めた幹から横に枝が出る。暑くなると生育が旺盛になって、気がつくと通路が通れなくなるのである。

剪定後のラブリー・メイアン(2021年11月7日撮影)

 そこで、ラブリー・メイアンもつる薔薇としてではなく、通常の薔薇の仕立て方に変更した。オベリスクは不要なのだが、置く場所がないので当面そのままにする。

綺麗になった庭(2021年11月7日撮影)

 ついでに花が終った秋明菊の花柄と枯れた葉を整理して本日の作業は終了である。まだ日中の温度は20℃くらいまで上昇するので、昼間の作業では汗が出る。それでも庭に置いた椅子に腰かけて少し静かにしていれば汗はすぐに引く。いまが園藝作業をするには最適の時期である。

 来週は、手付かずの薔薇ピエール・ド・ロンサールとクレマチスの手入をすることにしたい。

夏薔薇の剪定

 連日の暑さ続きで、庭や鉢花の手入も行き届かない日々が続いている。私は早起きが苦手で、庭に出て作業する準備が整うのは昼近くなってからなので、夏のガーデニングは苦手なのである。

 今日も、暑さの中、枯れそうになったペチュニアの切戻しと薔薇の剪定だけ行うことができた。

夏薔薇の剪定(2021年8月22日)

 剪定後の薔薇。これはグラハム・トーマス(Graham Thomas)である。暑さの中、無理して作業したので剪定前の写真は残っていない。撮影し忘れてしまったのである。

夏薔薇の剪定(2021年8月22日)

 剪定前の姿は伐った枝の量で想像してもらいたい。

 これまで、夏の間は咲き終えた花柄を取り除くときに少し深めに切り取っていたのだが、今回は花柄がたくさん付いていたので思い切って切戻した。つる薔薇は最頂部の枝が伸びすぎてしまうものなのだが、冬の誘引作業で必ず切り落としてしまう部分なので、今年はそれも切り落としてみた。

 寒くなるまでまだ時があるから、秋薔薇を楽しむことができるはずだ。

今年最後のピエール・ド・ロンサール

 この上なく美しい花を咲かせるピエール・ド・ロンサールの最後の花が咲いた。この薔薇は一季咲きなので、今年最後の花である。

今年最後のピエール・ド・ロンサール(2021年6月5日撮影)
今年最後のピエール・ド・ロンサール(2021年6月5日撮影)

 蟷螂(かまきり)が薔薇に乗っているのはユーモラスだ。蟷螂は害虫を食べてくれるので、益虫である。大切にしたい。

今年最後のピエール・ド・ロンサール(2021年6月6日撮影)

 ピエール・ド・ロンサールの唯一の欠点は年に一度しか咲かないことだと言われるが、それは長所でもある。

 四季咲きの薔薇は何度も咲く代りに、強健さに欠けることが多い。花を咲かせるために、エネルギーを使ってしまうので、茎や葉を強くすることができなからではないかと、私は勝手に思っている。

今年最後のピエール・ド・ロンサール(2021年6月6日撮影)

 ともかく、このピエール・ド・ロンサールは年に一度しか咲かないけれども非常に強健で育てやすく、一度に盛大に咲いてその後だらだら咲かないのがかえって潔い。

 これから薔薇を育てようと思っている方にお勧めしたい素晴しい品種である。

ラブリー・メイアン開花

 庭のラブリー・メイアンが開花した。これは京成バラ園で修景薔薇として売られていたもので、手入れしなくても良く咲くという説明だった。

ラブリー・メイアン(2021年5月16日撮影)

 確かに強健で、手入れをさぼっていた時期も良く咲いていたと記憶している。狭い庭に植えたので、盛夏に枝が四方に伸びすぎて通路をふさいでしまい、女房の顰蹙(ひんしゅく)を買うこと度々であった。

ラブリー・メイアン(2021年5月16日撮影)
ラブリー・メイアン(2021年5月16日撮影)

 この薔薇は、開ききった花の形はあまり美しくない。遠くから、景色として楽しむのが良いと思う。

ラブリー・メイアン(2021年5月16日撮影)

 とはいえ、開きかけの花はやはり美しい。欠点は、先ほども書いた通り成長が旺盛すぎるということくらいだろうか。

ラブリー・メイアン(2021年5月16日撮影)

美しいピエール・ド・ロンサール

 ピエール・ド・ロンサール(Pierre de Ronsard)の花が大変美しく咲いている。年に一度のことなので、写真を公開しておこう。

ピエール・ド・ロンサール(2021年5月9日撮影)
ピエール・ド・ロンサール(2021年5月9日撮影)

 ピエール・ド・ロンサールに限ったことではないが、薔薇の花は開ききる前が一番美しい。中でも、この薔薇の開きかけた花の美しさは夢を見るかのようである。

ピエール・ド・ロンサール(2021年5月9日撮影)
ピエール・ド・ロンサール(2021年5月9日撮影)
ピエール・ド・ロンサール(2021年5月9日撮影)

 ピエール・ド・ロンサールは一季咲きの薔薇。年に一度しか咲かないが、それを補って余りある長所がある。花がこの上なく美しいことと、大変強健であることである。育てやすくおすすめの品種だ。

グラハム・トーマスが見頃になった

 部屋でくつろいでいれば、窓から入るそよ風が心地よい季節となった。日中に庭で作業をしていると直射日光が強烈で、今日は園芸用の笠を久し振りに使用することになった。夏到来を実感した今日の庭仕事である。

 そんな中で、玄関花壇のグラハム・トーマス(Graham Thomas)が見頃を迎えている。

グラハム・トーマス(2021年5月6日撮影)
グラハム・トーマス(2021年5月6日撮影)

 グラハム・トーマスはイギリスの育種家デビッド・オースチン(David Austin)の作出した薔薇で、日本の気候の下ではつる薔薇として仕立てることも可能な品種である。黄色の花が鮮やかで、大変強健に育つ優秀な薔薇だ。可能なら建物の外壁などに仕立てると、広範囲を薔薇で覆いつくすことができるだろう。

グラハム・トーマス(2021年5月9日撮影)
グラハム・トーマス(2021年5月9日撮影)

 我が家では、この薔薇を玄関花壇のトレリスに誘引して育てている。グラハム・トーマスは冬の仕立て直しの作業や施肥を適切に行ってさえいれば、定期的な消毒などの必要はない。いや、本来は定期的に殺虫剤や殺菌剤を噴霧すればより美しい状態で鑑賞することができるのだろうが、私は無理せずできる範囲で園藝を楽しむことにしている。だから、盛夏になると葉や花が害虫の被害を受けることになるが、害虫を見付けたときに市販の殺虫・殺菌剤を噴霧して防除する程度で大きな問題になることはない。十五年以上この方法で育てているが、グラハム・トーマスは毎年旺盛に成長して、元気に花を付けてくれる。

グラハム・トーマス(2021年5月9日撮影)
グラハム・トーマス(2021年5月9日撮影)

 薔薇を育て始めたばかりの頃は、本で勉強してその通り作業していたのだが、薔薇づくりを教科書通りになるのは本当に大変だった。鉢植えの薔薇は土替えといって、真冬に鉢の土を全て入れ替える必要があるのだが、寒風の中で薔薇の土替えをした翌日は必ず風邪をひいてしまい、楽しみのためにやっているのか義務でやっているのか分からなくなってしまった時期があった。薔薇のために最善の作業を教科書どおりにやるのは、週末園藝家の私には無理だったのだろう。

 今は、休日にできる範囲で薔薇の面倒を見ることにしている。強健な品種はそれで枯れることはないし、そうでもない薔薇は、私には縁がなかったということなのだろう。何種類かの薔薇を枯らしてしまったが、強健な薔薇は今も私のために毎年咲いてくれるのである。

晩春から初夏へ

 今年の立夏は5月5日。暦の上では5月4日が春の最後の日だ。夏になって本格的な暑さがやってくると、鉢物の水遣り、雑草取り、害虫駆除、花柄摘みに草木の剪定と作業量が増えて、園藝家にとってはつらい日々が始まる。

 そうなる前。晩春から初夏の庭はまだ落ち着いていられる。庭にいても風が心地よい。

晩春の庭(2021年5月4日撮影)

 見えているのは、開花間近の薔薇ラブリーメイアン、クレマチスのザ・プレジデント、つる薔薇ピエール・ド・ロンサール、新芽が伸びてきた木槿(むくげ)、新緑が美しい秋明菊、桔梗(ききょう)、クリスマスローズ、そして一番手前に見える黄色い花が今年植えたばかりのヘメロカリスである。

晩春に咲くヘメロカリス(2021年5月4日撮影)

 土の上に見える黒いものは、倉庫の片づけをしていたら出てきた古いバーベキュー用の木炭を砕いたもの。二十年以上倉庫で眠っていたと思う。土壌改良のつもりで土に混ぜたのだが、あまり細かく砕けなかったので効果のほどは不明である。

晩春に咲くヘメロカリス(2021年5月4日撮影)

 今年植えたヘメロカリスの最後の蕾(つぼみ)が開いた。次に開花するのは一年後になるのだろうか。繰り返し咲く品種なら、今年のうちにまた花が見られるかもしれないのだが。

ピエール・ド・ロンサール(2021年5月4日撮影)
ピエール・ド・ロンサール(2021年5月4日撮影)

 ピエール・ド・ロンサールの開きかけた蕾。淡いピンクからピンク色の花弁先端までのグラデーションが美しい。一季咲きの薔薇だが、誘引する場所さえあれば強健で育てやすくおすすめの品種である。

晩春のクレマチス(ザ・プレジデント)(2021年5月4日撮影)

 今年はクレマチスをフェンスに誘引してみた。大輪の花は先日の強風のせいか傷んでいるようだが、それでも涼しげで美しい。一度植えれば、冬の剪定以外はほとんど何もする必要がないくらい育てやすい。そして強健な品種である。

金魚草(2021年5月4日撮影)
金魚草(2021年5月4日撮影)

 この金魚草は去年植えて家電で冬を越したもの。背が伸びすぎていたので花後に切り戻すつもりだったのだが、先日の春の風雨にさらされて花が軒並み倒れてしまった。支柱と麻紐で姿勢を矯正したのだが、それでも花は横を向いてしまっている。特徴的な形の花は健気にも美しい。

初夏に咲くピエール・ド・ロンサール(2021年5月5日撮影)

 そしてこれが初夏の薔薇。ピエール・ド・ロンサール。この薔薇は開きかけたこの状態が最も美しい。カップ咲きの花形とピンク色のグラデーションは至高の美しさと言っても良いだろう。

 5月5日から夏が始まった。夏の花、薔薇の季節がやってくる。

グラハム・トーマス開花

 イングリッシュ・ローズのグラハム・トーマスが開花した。開花したのはまだ一輪だけ。イングリッシュ・ローズはどれもそうだが、カップ型の花が大変美しい。グラハム・トーマスは強健で生育旺盛な品種で、我が家ではつる薔薇仕立てにしている。

グラハム・トーマス(2021年4月29日撮影)
グラハム・トーマス(2021年4月29日撮影)
グラハム・トーマス(2021年4月29日撮影)