つる薔薇の仕立て方

 夏の間、旺盛に枝を伸ばして樹形が乱れてしまったつる薔薇は、冬のうちに剪定と誘引の作業が必要です。ここでは、塀に固定したトレリスに誘引する方法を紹介します。

【用意するもの】

  • 豚革の手袋
  • 目を保護するゴーグル
  • 麻紐(あさひも)
  • 剪定鋏
  • S字フック(薔薇の枝を仮止めするのに使います)
  • 園芸用のこぎり(生木を伐れるようになっているもの)

【薔薇の性質を知る】

 薔薇に限らず多くの植物には、頂芽優勢(ちょうがゆうせい)といって、植物の茎の先端にある頂芽が側芽(腋芽)よりも優先して成長する性質があるので、高い位置の枝を残しておくと脇芽が伸びずに株の下方が寂しい状態になってしまいます。トレリスを薔薇の花で埋め尽すためには、高い位置から出ている枝は切り取る必要があります。

 また、薔薇のこの性質を利用して、枝数を増やし花を多く咲かせる方法があります。枝をなるべく水平に固定することで、頂芽がなくなり枝全体から芽が出てたくさん花が咲くようになるのです。トレリス全体にまんべんなく枝を水平に誘引できたら理想的です。が、無理に枝を曲げると折れてしまうことがありますから、力を加減して理想に近い状態にできればよいでしょう。

 選定することで、シュートが出やすくなる効果もあります。

【準備】

 最初に枯れた枝を切り落とします。それから、薔薇の様子をよく視て、残す枝と伐り落とす枝をおおよそ決めていきます。古い枝と高い位置から出ている枝は不要です。新しい枝は綺麗な緑色、古い枝はくすんだ色をしています。

【誘引】

 残っている麻紐を取り除きながら、S字フックで枝を誘引したい場所に仮止めします。

 仮止めした枝を麻紐で止めていきます。縛り方は、途中で一回ひねって8の字になるようにします。かなりきつく縛っても問題ありません。来年までこのままにしますので、紐が切れることも考え、一本の枝を二箇所くらい縛ると良いでしょう。

 この作業を繰り返すと完成します。

 古い枝は本から切り落としました。

 完璧とは言えませんが、一応満足できる状態になりました。

 本当は真冬になって、葉が全て落ちてからやるべき作業ですが、厳寒期に外で長時間作業をすると体調を崩すことがおおいので、私は秋のうちに仕立て直しすることにしています。

【施肥】

 この作業の後、つる薔薇の株本に肥料をやっておくと良いでしょう。