咲き続くピエール・ド・ロンサール

 ゴールデン・ウィーク明けに咲いたピエール・ド・ロンサール。その後順調に開花を続け、今日も庭で咲き誇っている。このところ雨が多く、そのせいでいくつかの花が傷んでしまったものの、まだまだ満開の状態が続いている。花弁の多い花が雨の重さに耐えかねて、花首が折れてしまうのである。

 しかし、まだ蕾がたくさん残っているから、来週もこの花の美しい姿が眺められるものと思う。

ピエール・ド・ロンサール(2022年5月22日撮影)
ピエール・ド・ロンサール(2022年5月22日撮影)

 咲きかけた花のコロンとした形と、淡いピンクから濃い桃色に変るその花色のグラデーションは他に類を見ない美しさだと思う。一輪でも良いから秋に返り咲いてくれたら本当に素晴らしいと思うのだが、ないものねだりというものであろう。

ピエール・ド・ロンサール(2022年5月22日撮影)

 この花は一輪一輪の美しさに価値があると思っているのだが、房になって咲く姿も悪くない。咲き終りの薔薇は、今にも散り始めそうだ。

薔薇の近くで咲くクレマチス「ザ・プレジデント」(2022年5月22日撮影)

 今年は薔薇のそばまでクレマチスを誘引したのだが、あいにく花期がずれてしまい、この二種類の花が入り混じって咲く姿を見ることはできなかった。が、クレマチスは長く咲く花である。薔薇から少し離れた場所では、クレマチス「ザ・プレジデント」が大輪の花を咲かせている。

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ラブリー・メイアン開花

 ラブリー・メイアンが開花した。

 我が家のラブリー・メイアン(Lovely Meilland)は花の中心の蕾が硬く、外側の花弁は開くのだが、蕾の中心部がそれにつづいて開いていかない。その状態の後、気付くと花は開ききった状態になってしまっている。そのため、開花途中の均整の取れた美しい姿を見たことがないのではないかと思ってしまうほど気難しい薔薇だ。

ラブリー・メイアン開花間近(2022年5月13日撮影)
ラブリー・メイアン開花(2022年5月15日撮影)

 ラブリー・メイアンはステム(花枝)も枝も長く伸びるから、何らかの誘引が必要である。

 オベリスクに巻き付けてつる薔薇のように仕立てても、そこから旺盛に枝やステムがどんどん伸びてくるので、更に誘因が必要となる。強健で旺盛に成長するのは良いが、成長が旺盛すぎて手に余るほどだ。

ラブリー・メイアン開花(2022年5月15日撮影)

 今年はつる薔薇仕立てを止め、株立ちにして伸びてきた枝をオベリスクに誘引することにしてみた。思い切って切り詰めたところから旺盛に成長して、大量の蕾を付けている。ラブリー・メイアンを植える場合は、十分なスペースを確保したうえで植えることをおすすめしたい。私のように狭い庭しか確保できない場合は、もっとコンパクトに育つ薔薇を育てた方が良いだろう。

ラブリー・メイアン開花(2022年5月15日撮影)
ラブリー・メイアン開花(2022年5月15日撮影)

 最後の写真の花は、私好みの咲き方に近い。窓辺からこの花を見ると、あまり好きではなかったラブリー・メイアンも愛おしく感じてくるから不思議なものである。

 これから本格的な開花時期を迎える。ピンクの美しい花が次々と咲く瞬間を見逃さないようにしなくては。

こぼれ種から生えた金魚草

 鉢植えの沈丁花(じんちょうげ)の下、飾りに置いてあるタイルとコンクリートの間から、金魚草が生えて花を咲かせていた。ど根性金魚草だ。

 ここに限らず、タイルの裏からはよく雑草が生えてくるのだが、鉢植えに水遣りをした際に鉢の底からあふれ出てくる水と養分とを、タイルの下部に根を張って吸収しているのだろう。

 雑草ならスーッと引き抜いて捨ててしまうのだが、これは勿体ない。このまま生やしておこうかとも思ったが、鉢に植えたら寄せ植えの材料が一つ増やせるはずだ。早速、余っているプラスチック鉢に植え替えることにした。

タイルの裏から生えてきた金魚草
タイルを剥がしてみたところ

 タイルの裏がどうなっているのか、剥がして見てみた。予想通り土はほとんどなく、細かい根がびっしりとタイルの裏を覆っていた。水耕栽培状態になっていたようだ。

用意したもの

  • ど根性金魚草:1株
  • 培養土
  • 余っていたプラスチック鉢
  • 土入れ
  • 割箸(細かい根を傷つける恐れがあったため今回は使用しなかった)

 用意したのは上に書いたとおり。全て家にあったものだ。プラスチック鉢は何かの苗が植わっていたもので、使えそうだから取っておいたもの。

植替え準備
金魚草をタイルから剥がしてみたところ

 金魚草の根をタイルからそっと剥がす。抵抗もなくすんなりと外すことができた。植替え後は、もっと居心地の良い住居を提供できるはずだ。

植替え中

 市販苗と同様、鉢底石など入れずに土だけで植え付けていく。鉢底に培養土を1~2cm程度入れ、その上に先程の根を収めていく。根を切ろうか迷ったが、切らずにそのまま鉢に入れた。

植替え完了

 株が上を向くように注意しながら、土入れで培養土を入れていく。金魚草が上を向いた状態で、うまく固定できた。

剪定後

 根をいじったので、地上部を切り詰めて、水不足によって枯れてしまうことを防ぐ。せっかく咲いていた金魚草だが、地上部の三分の一程度を残して、花も切り取ってしまう。金魚草は本来今の季節(初夏)に咲くものだが、秋から春まで断続的に開花するので、うまくいけば、また花が咲いた姿を見ることができるだろう。

 さて、うまく根付いて成長してくれるだろうか。

ピエール・ド・ロンサール開花

 ピエール・ド・ロンサール(Pierre de Ronsard)も開花した。ピエール・ド・ロンサールの美しい花が見たくて、毎年この頃になると、開花が待ち遠しい気分になる。

ピエール・ド・ロンサール開花(2022年5月6日撮影)

 我が家では、庭のフェンスに誘引しているが、本来ならばもっと高さが必要な品種である。フェンスを継ぎ足してもっと高い位置まで誘引したいのであるが、今のところ家内の許可が出ないので、小ぢんまりと育てている。

開きかけたピエール・ド・ロンサールの蕾(2022年5月6日撮影)

 それでも初夏の花付きは素晴らしく、この上なく美しい花を大量に付ける様は言葉で表現するのが難しいほどの美しさとなる。

ピエール・ド・ロンサール開花(2022年5月8日撮影)
ピエール・ド・ロンサール開花(2022年5月8日撮影)

 ピエール・ド・ロンサールは強健な性質による育てやすさと、その花の夢のような美しさから高い人気を持った品種である。園芸店でも比較的入手しやすい薔薇だ。惜しむらくは、花ににおいがないこと、そして初夏にしか咲かないことだ。

 しかし、比類なきこの美しさは何物にも代えがたい。これから薔薇を育てるような方におすすめしたい品種である。

グラハム・トーマス開花

 グラハム・トーマス(Graham Thomas)が今年も開花した。花色は、深い黄色から咲き進むとやや白みを帯びた色に変化する。強健で育てやすく、美しい薔薇である。

グラハム・トーマス開花直前(2022年5月3日撮影)
グラハム・トーマス開花(2022年5月4日撮影)

 私は、何種類ものバラを手に入れて庭や鉢植えで育てたけれども、今も残っているのはこのグラハム・トーマスと、ピエール・ド・ロンサール、そしてラブリー・メイアンの三種だけだ。どれも強健で育てやすい品種であるが、これから薔薇を育てようとする方には、このグラハム・トーマスかピエール・ド・ロンサールをおすすめしたい。ラブリー・メイアンはおすすめしている方も多いようだが、花の形があまり美しいと感じられないので、私はおすすめしない。花の形が悪いのは、私が育てている個体特有の問題なのかもしれないけれども。

グラハム・トーマス開花(2022年5月4日撮影)

 グラハム・トーマスは四季咲きであるから秋にも花が咲く。ピエール・ド・ロンサールは一季咲きなので、初夏にしか花を見ることはできない。しかし、花の優雅さ素晴らしさではピエール・ド・ロンサールが上だ。強健さ育てやすさはどちらも同等。花の美しさを取るか、秋にも咲くことを取るかでどちらを選択するか決めると良い。どうせ、薔薇に手を出したら一株で終るはずがないのであるから、どちらも手に入れたらよいのではないかと思う。

グラハム・トーマス開花(2022年5月8日撮影)

 薔薇は花の女王。仕えるのがなかなか大変であるから、たくさん育てるのはおすすめしない。薔薇を手に入れたいという誘惑に耐えることはなかなか大変なのだが、私のように週末にしか手入れができないのなら、三株から五株程度に抑えておくことだ。衝動買いせずに、十分に調べて、これぞという品種をこそ手に入れるべきである。

グラハム・トーマス開花(2022年5月8日撮影)

 グラハム・トーマスは本来シュラブローズだが、つる薔薇として育てることも可能である。我が家では玄関先の花壇に、無粋なブロック塀を隠すようにつる薔薇として育てている。毎年この頃になると、一斉に大量の花が開花して見応えのある光景となる。今年も、間もなく満開となることだろう。薔薇のそばに置いてある鉢植えの花々も競うように花を付けていて、美しいと思う。

クレマチス開花

 クレマチスが開花した。昨年のうちに伸びたクレマチスの枝を薔薇のラチスに絡めておいたので、今年は薔薇とクレマチスの共演が見られるはずだと思っていたが、クレマチスが先に開花した。薔薇の方は間もなく咲くであろうから、近いうちに共演を目にすることができるはずである。

開花したクレマチス(2022年4月24日撮影)

 薔薇の足元に見えているのは、冬のうちに切り詰めた木槿(むくげ)。かなり深く切り詰めたが、株立ちになって旺盛に成長している。こちらは開花までもう少し待つ必要がある。

 木槿の足元に見えているのが、アネモネだ。今年は植物を増やしたので、なかなか楽しい庭になったと思っている。

開花したクレマチス(2022年4月24日撮影)

 狭い庭を有効活用しようと、通路の幅を最小限にしてしまったせいで、夏になって植物が伸びてくると、通行に支障をきたすようになる。今年も、飛び出したクレマチスの枝が邪魔になりはじめているが、まだ枝を切り取る気にはならない。何とか通ることができるからだ。

開花したクレマチス(2022年4月29日撮影)

 クレマチスはザ・プレジデント。薔薇の名はピエール・ド・ロンサール。この薔薇はこの上なく繊細な色のグラデーションを持った豪華な花を咲かせる種類で、毎年咲くのが楽しみだ。早くクレマチスと隣合せで咲く姿が見たいものである。

グラハム・トーマス(薔薇)のシュートが

 グラハム・トーマスのシュートが出てきた。例年、初夏になってから出てくることが多いのだが、今年のシュートは少し早いようだ。株の状態が良いのだろうか。

シュートが出てきた(2022年3月20日撮影)

 シュートは来年の花を咲かせるための大切な枝である。勢いよく成長するので、麻紐で誘引しながら、まっすぐにうまく伸ばしていかなければならない。まっすぐに伸ばしたシュートを冬にトレリスに誘引し、来年そのシュートからでた新しい枝に花が咲くのである。

グラハム・トーマスのシュート(2022年3月20日撮影)

 この薔薇の植えてある花壇に薔薇の誘引のためにアルミのトレリスが設置してあるのだが、トレリスとブロック塀との間にシュートや枝が入ってしまわないよう、日々注意していなければならない。トレリスの裏に入り込んでしまった枝を元に戻すことはなかなか難しいからである。

 グラハム・トーマスのシュートはピンチしなくても、分枝せず素直にまっすぐ伸びてくれることが多い。その点は手間がかからない薔薇だと言ってよいだろう。

 薔薇が咲くのは五月。グラハム・トーマスの葉も既に展開が始まっている。初夏の開花が待ち遠しく感じる今日この頃である。

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もみじ葉ゼラニウムに霜除けを

 秋の終りに作った寄せ植えに入れたもみじ葉ゼラニウム。本当はヒューケラが欲しかったのだが、葉の色が美しかったのと価格が安かったのに魅かれて、心変わりして選んだものである。苗についていたタグの説明を読んで寒さにはあまり強くないことは解っていたが、高を括って寄せ植えに入れてしまった。

植え付け直後の状況(2021年10月31日撮影)
植え付け直後のもみじ葉ゼラニウム(2021年10月31日撮影)

 もみじ葉ゼラニウムは大変美しい葉を持っている。その美しさは他にないもので、寒さに強ければ、毎年寄せ植えに入れたいくらいである。

枯れそうなもみじ葉ゼラニウム(2022年2月13日撮影)

 しかし、結果は無残にも枯れそうになってしまった。葉がしおれはじめた頃に、掘り上げて部屋に入れることも考えたのだが、この寄せ植えには地中に球根が忍ばせてあるため、その方法をとることはできなかった。下手にスコップを入れるとせっかくの球根を傷つけてしまう恐れがあったからである。

枯れそうなもみじ葉ゼラニウム(2022年2月13日撮影)

 高を括って、耐寒性の低い植物を寄せ植えに加えた結果がこれである。写真は見苦しくなった完全に枯れた葉は除去した後で撮影したもの。よく見ると、まだ健気にも新しい葉が展開しようとしているように見える。まだ枯れずに生きている証拠である。冬の間は、根だけ残して冬眠してくれるとありがたいのだが、この品種にはそういった能力はないらしい。次に冬の寄せ植えを作る時は、寒さに強い植物を選定しなければなるまい。

霜除け設置!(2022年2月13日撮影)
霜除け設置!(2022年2月13日撮影)

 もみじ葉ゼラニウムの上部に霜除けを設置してみた。

 最初に、植木鉢を逆さに置いてみた。座りも良く、防寒の効果は間違いないと思われたのだが、寒さは防げても陽が当らなくなってしまうのでその方法はやめにした。夕方に設置して、朝に取り外すことができるなら、その方法も悪くないだろう。しかし、私はずぼらなことにかけては人後に落ちない人間だ。きっと、面倒になって置いたままになってしまうに決まっている。

 そこで、次に考えたのがビニール袋を割り箸で止める方法である。超小型の簡易ビニール・ハウスだ。見苦しいので、こうする必要が生じないように初めから適切な品種を選ぶことが重要であったことは言うまでもないが、ことここにいたってはこうするよりほかに方法が思いつかなかったのである。

 生き返れ。

 もみじ葉ゼラニウムよ。

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真冬の薔薇

 我が家のグラハム・トーマス(Graham Thomas)が花を咲かせようとしている。この間、写真を撮ったときは花が開ききってしまっていたけれども、今日の薔薇は整った姿を見せてくれた。蕾が開こうとして、膨らみかけた瞬間。この時こそ薔薇が最も美しく見える時なのである。

真冬に咲いたグラハム・トーマス(2021年12月19日撮影)
真冬に咲いたグラハム・トーマス(2021年12月19日撮影)

 グラハム・トーマスは、英国の育種家、デビッド・オースチン(David Austin)の作出した薔薇。イングリッシュ・ローズの名で販売されている。野性味を残したオールド・ローズの花の姿を残しながらも、四季咲き性をもった強健な薔薇は、おすすめできる品種ばかりである。

最後の蕾(2021年12月19日撮影)

 蕾がひとつだけ残っている。が、咲くだろうか。

 寒さで凍えてしまうのが先か、それとも花を開かせるのが先か。

カサブランカの球根

 庭植えの百合(ゆり)、カサブランカの球根が分球してきた。最初に植えた球根の脇から芽が出ているのに気付いてはいたが、分かれた球根が育っているのには気付かなかった。

 百合という語は、この球根の姿からついたもののようだ。うろこのような形状の鱗茎がたくさん集まっている様を、このように表現したとされている。漢語の百合(ひゃくごう)に和語の「ゆり」を当てたということだろう。ちなみに漢方薬として使う場合、百合は「ひゃくごう」と読まれるらしい。

カサブランカの株元(2021年9月26日撮影)

 一昨年の春に植えたカサブランカの株元に分球した球根らしきものが見える。鱗茎が青々として元気そうである。株元から八方に伸びる根は地上に出てきてしまっているが大丈夫なのだろうか。写真左側に見える太い幹が本家カサブランカ。最初に植えた球根から伸びている茎である。

分球した球根(2021年9月26日撮影)

 分球した球根は、もっと大きくなったら切り分けて植え替えたいところだが、さて、どこに植えたらよいやら。我が家には空いている場所は既になくなりつつあるのである。